大学では生物工学を学んでいましたが、就職活動当時はコロナ禍や電力不足などが話題になっていたので、安定した企業で働きたいという考えを強く持っていました。その中で、神戸工業試験場(以下KMTL)の会社見学に参加したことがきっかけで、この会社が車や飛行機、発電所などに使われている部品の材料試験を行っている国内でも有数の民間試験場であることを知ったんです。経済や情勢が不安定な場合でも需要の変動が少ない、物流や発電技術に関する製品や材料に幅広く携わっているところに、この会社の安定性や将来性を感じ入社を決めました。
お客様から送られてくる実体品や試験片が壊れた際の強さや、引き延ばされる延性を調べたり、対象とする素材の強度設計や安全性に携わる数値を測定しています。試験を行う条件は、日本の規格であるJIS規格と、アメリカやヨーロッパ向けのASTM規格があるので、お客様のご要望の規格に合わせて臨機応変に試験を実施するように心がけています。
学生時代は生物工学を学んでいたので、金属材料についてわからないことが多く入社当初は不安でした。しかしこの会社には、トレーニー・パートナーズ制度というものがあり、入社してからの一年間は、教育係として先輩の社員が指導をしてくれます。この一年間に関しては特に、どんな些細なことでも質問でき、知らない分野でも積極的に試験技術を習得しやすい環境だったので、今では安心して日々業務に取り組むことができています。
社員の能力向上のための環境が整っているところが魅力だと感じています。試験業務をこなすにつれて、金属に関する知識が身についていくことはもちろん、技能検定などの国家資格にも挑戦できる環境も備わっています。また、有休もとりやすいと感じており、自分の好きなことや挑戦したいことに費やす時間が確保しやすいところも魅力です。
現在はお客様のご要望に従って試験をこなしていますが、お客様が試験の詳しいことがわからない場合に、調べたい実体品から、どのような大きさや形状で試験片が採取できるかの提案や、試験片または試験に用いる治具の図面作成なども行えるようになりたいと考えています。また、試験手順や規格の理解をもっと深めて、お客様に実際に自社の試験片がどのような手順で試験されているかを確認いただく、立ち合い試験などにも対応できるようになりたいです。
試験をする際、ある程度どういった結果になるのか予測をしながら行うのですが、自分の想定どおりの結果になった時は自身の成長を感じることができて嬉しいです。また、繁忙期になると、短納期で大量の試験を行う必要があるので、はじめはなかなか品質に自信が持てませんでした。それでも、先輩方の指導もあって、最近では繁忙期であってもお客様からお礼を言われるようになりました。自身の仕事がお客様の「ピース」に繋がっていることを実感できてやりがいを感じますね。
MESSAGE
KMTLでは私のように、学生時代に金属材料とは全く別分野を学んでいても、仕事をしていく過程で知識を身につけ、活躍している方が多いです。分野を知らないからこそ新たな発見につながることもあるので、知らないからと言って諦めず、知識を吸収し、活発に意見交換できる意欲があれば、この会社なら必ず活躍できるはずです。華やかな業種ではないかもしれませんが、世に出回る製品の安全を、一緒に陰ながら支えていきましょう。