もともとは、大学で金属の組織・強度について専攻していたので、その知識を活かせるような金属材料の開発に興味がありました。 そんな時、神戸工業試験場のインターンシップに参加してみたら、働いているみなさんの金属や試験の知識が幅広く豊富なことに驚きました。一つの会社で材料を開発するという選択肢だけでなく、開発された材料に広く携わることで幅広い知識を身につけられる仕事もあるのだと気づいたんです。こんなふうに「試験のエキスパート」として活躍するってかっこいい!というのが決め手となり入社を決意しました。
私は組織観察というものを担当しています。お客様が新しく製品や材料を作った時やトラブルが起こった時などに、欠陥ができていないか確認する作業です。まずはお客様からの供給品を組織観察用の試験片にするために、研磨やエッチングなどの加工を行います。次にその試験片を顕微鏡で観察したり、撮影をして結果をまとめていきます。この時に、材料の組織的性質や、溶接などの接合部・メッキなどの表面の処理が目的に沿っているか、亀裂や穴などの欠陥ができてしまっていないか、などを確認しています。
扱う供給品によって、試験片に加工した後の仕上がりが微妙に違ったりするので、出来上がって観察する時は、今日はどんな組織が見られるのだろうと毎回ワクワクしています。また、試験片の加工は手作業で行うことが多く、ちょっとした配合や力加減などが難しくて苦戦する時もあります。そんな時に、加工の条件を変えるなど試行錯誤を重ねて、仕上がりが見違えるように良くなると、「ピース!」を超えてガッツポーズが出ます!(笑) こんなふうに、毎日が新しい発見と挑戦にあふれているので、うまくいってもいかなくてもとても楽しいです。
女性だからと変に気構える必要がないところが魅力的です。現在、女性が少ない環境で働いていますが、周りのみなさんは気さくに話しかけてくださいます。例えば、部署メンバー同士での食事会に誘っていただいたり、辛いものが好きなので、よく激辛の食べ物をもらったり(笑)。分け隔てなく接してくれるのでいつも楽しく働くことができています。
やはり、幅広い材料に携われるところです。様々な分野のお客様から試験のご依頼があるので、今実際に使われている材料から、これから新しく使われようとしている材料まで本当にいろいろな材料に出会うことができます。さらに同じ材料でも大きさや処理の有無、使われていた環境、試験の目的などで作業内容が異なるので、一つの材料でもさまざまな一面を見ることができるのも面白いです。また、先輩社員との距離が近く、親身にアドバイスをいただけるので、疑問点が相談しやすいところも魅力の一つだと思います。
現在は、取り扱ったことのない材料などは先輩社員に細かく相談して試験を行っていますが、今後は自分で判断して作業できるようになるのが今の目標です。そのために、扱ったことのない材料にもっと触れて、知識を増やして経験を積み重ねていきたいです。また、材料の知識について問われる場面も多いので、金属材料試験技能士の資格取得もできたらいいなと考えています。
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理系・工学系の学部にいた知人の多くは、研究開発職や製造などの分野に進みました。その中で、そういった分野の人たちが作り上げた成果に実際に触れることができ、その安心安全を保証して世の中に送り出すお手伝いができることは、とてもやりがいのある仕事だと感じています。みなさんにも試験業務を選択肢の一つにしていただけたら嬉しいです。